性暴力のない日本へ:どれだけの人に影響を与えたらいいのか? #60

今後どれだけの人の行動変容を促せば日本の性生活をもっとよくできるのかを考えてみました。
とぅるもち 2024.08.15
誰でも

皆様、お盆休みいかがお過ごしでしょうか。先日性生活分析tawagramβ版を公開しました。
4月から7月まで、アプリ製作でてんやわんやしていたのですが、ここからしばらくは、

・ヘルスケア
・結婚
・妊娠
・子育て
・パートナーシップ

などに「性」を掛け合わせた情報をお届けすることに注力できればと思っています。

今回は、tawagramの機能改善を行なっていく中で、どれだけの人にサービスを届けられたら、日本の性生活がもっと良くなったり、性暴力がなくなっていったりするのか…を、ざっくりと考えてみましたあくまでも私個人が書いたものであることをご了承ください)。

弊社は「プレジャーを持って主体的に生きる人を増やす」ことをミッション(長期アウトカム)に掲げています。

同列に「SRHRの普及」「自分を好きになることを後押ししてくれる社会」を叶えることが大切とも考えています。

中期アウトカムとしては、

・自分の性生活を楽しめる
・ふたりが対等に話し合える
・自己肯定感が高い
・自分の心身を守れる

を設定しています。なかなか数値化できるものではないのが難しいところです。

社会問題を解決するために、どれくらいの人が行動を変えなければならないかを考えると、多くの場合、人口の10%から25%が変化すると、大きな影響が出るとされています。

この考え方は「クリティカルマス」と呼ばれ、社会で新しい行動や考え方が広まるためには、まず10%から25%の人がその行動を取り入れることが必要だというものです。アメリカの社会学者エベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)が1962年に「イノベーター理論」で提唱しました。

たとえば、学校1クラスに100人のクラスメートがいるとしたら、そのうち10人から25人が新しい行動を取り入れれば、クラス全体にも影響を及ぼす可能性が高くなります。

学生時代を思い返せば、5~7人くらいのグループが発言することによって、学祭の出し物とかもある程度決まっていった気がする…

なので、対象を社会に置き換えても、この割合を達成することで、行動が広まり、最終的には社会全体が変わることが期待されるということなのだそうです。

この二つの理論を参考にしつつ、ざっと計算してみます。

前提条件:

  • 日本の人口:約1億2500万人です。

  • ターゲット層:今回の目標に関連する20歳から60歳までの人たちを対象とします。この年齢層の人は、日本全体で約6000万人います。

つまり、日本の社会を変えるためには、6000万人のうち600万人から1500万人が行動を変えることが必要です。

日本のセクシャルウェルネスに関する課題を解決するために「600万人から1500万人にtawagramを届けるんや!」となった場合、以下のようなターゲット層が考えられます。

1. 20代〜30代の若年層カップル

  • 届ける人数: 約200万〜300万人(参考2)

  • 特徴: 性に関する悩みを抱えているが、まだオープンに話し合うことに抵抗がある層。結婚や同棲を考えている、または既に生活を共にしているカップルで、セックスレスや性生活の満足度に課題を感じている人たち。

2. 30代〜40代の新婚・子育て中の夫婦

  • 届ける人数: 約150万〜250万人

  • 特徴: 子育てやライフステージの変化に伴い、性に関する価値観や関係が変わりつつある夫婦。産後のセックスレスや、性に対する新たな悩みを持つ層。

3. 40代〜50代の中高年夫婦

  • 届ける人数: 約100万〜200万人

  • 特徴: 結婚生活が長く、性生活がマンネリ化している夫婦。加齢による性欲の変化やライフステージの違いから、セックスレスに悩むことが多い層。

4. 独身(20代〜40代)

  • 届ける人数: 約50万〜100万人

  • 特徴: 独身かつ性に関する自己理解を深めたいと考える人々。将来のパートナーシップに備え、自分と向き合うことも大切と考えている層。

5. LGBTQ+コミュニティ

  • 届ける人数: 約30万〜50万人

  • 特徴: 性に関する悩みが共有されにくく、社会的なサポートが不足しているLGBTQ+コミュニティに属する人々。セクシュアリティに関する正しい情報やサポートを求める層。

6. 子どもとその親(7歳〜18歳の子供とその親)

  • 届ける人数: 約50万〜100万人

  • 特徴: 子どもが正しい性教育を受け、自身の性について健全に理解することを支援。保護者と共に利用する層。

また、届ける順番も考えないといけません。それぞれのニーズの切迫度(「子どもを育てるために夫との関係を維持しないと」のような)や、影響力、市場の大きさを考慮して、考えてみました。

1. 30代〜40代の新婚・子育て中の夫婦

  • 理由: ライフステージの変化に伴い、性に関する課題が顕在化しやすいが、できれば解決したい。保護者同士による口コミも早いイメージ。

2. 20代〜30代の若年層カップル

  • 理由: 性生活にも前向きで、新しいサービスやツールに対する抵抗が少ない層。SNSやインターネットを活用して情報をバンバン拡散してくれる。

3. 40代〜50代の中高年夫婦

  • 理由: 結婚生活が長いからこそ、セックスレスやマンネリに悩むことが多い。他の層に比べて経済的に安定しているため、サービスにお金をかける余裕もある。

4. 独身(20代〜40代)

理由: セルフプレジャーや自己理解など、個人の幸福のためのコンテンツや情報が増えてきているし、利用者も増えている。

5. LGBTQ+コミュニティ

  • 理由: LGBTQ+で一括りにするのも違うと思いつつ、イベントなどがあればその中で急激に情報が行き渡る印象がある。

6. 子供とその親(7歳〜18歳の子供とその親)

  • 理由: 性教育の重要性が増す中、親子で使える性教育リソースへの需要が高まっている。しかし、親子での利用には啓蒙活動や教育も必要なので、他の層に届けられることが前提にあるイメージ。

届ける順番次第で、今頭の中にあるtawagramの新機能の実装の順番も変わってくるので、常にユーザーインタビューを行いながら調整していっています。

ぜひ、WEBアプリベータ版の方も使ってみてください!

私は行動科学・行動経済学的な知見が特にあるわけでもないので、もし「こういう考え方もあるよ!」などの意見があれば、ぜひコメントなどでお聞かせいただきたいです🙌

***

参考文献

1. 「行動デザイン」を学ぶ第18回:普及率16%地点の捉え方 | マーケの強化書(2022.04.13)

2.日本の人口統計データ(総務省統計局) (Statistics Japan)

***

ユーザーの皆様からのご支援をもとに、先月tawagramβ版をリリースいたしました。

■プロタイプからのアップデート内容

①質問数の増加質問数を増やし、より納得感のある性生活の傾向をご覧いただけます。

②デザインの変更回答しやすいUIデザインに変更しています。

③タイプが5タイプ→13タイプに増加テスト版では5タイプだった動物が13タイプまで増加しました!

tawagramは今後、一人ひとりの性生活に合わせた商品レコメンド機能や、タイプ別の性生活の悩み・パートナーシップの築き方事例が知れるメディア、などをリリースして参ります。

引き続きぜひ、ご活用していただけますと幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。

株式会社Unwind代表 とぅるもち

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